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子育てコーチングでの言語以外のメッセージ(ノンバーバルコミュニケーション)の大切さとそのテクニック


以前の記事で、子育てコーチングにおいて、テクニックなどを用いていかに言葉でメッセージを伝えるかが重要、ということを説明しました。それは確かにその通りですが、それと同じくらい言語以外でメッセージを伝えることも重要です。なぜなら、人が対話をする際には、言葉の内容以上に態度やしぐさ、話し方が大きな意味を持つ場合も多いからです。

今回の記事では、子育てコーチングの対話する際の言葉以外によるメッセージの伝え方のテクニックやその重要性について解説します。

 
■目次

子育てコーチングの対話における言語以外のメッセージ(ノンバーバルコミュニケーション)の大切さとそのテクニック
1、言語以外のメッセージの重要性
2、子育てコーチングにおけるノンバーバルコミュニケーションとは?
3、ノンバーバルコミュニケーションのコーチングテクニック
4、まとめ

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1、言語以外のメッセージの重要性

言語以外のメッセージにはどのようなものがあるでしょうか?
表情や話し方、声の大きさ、トーン、速度、話すときのしぐさ、姿勢、沈黙の長さ・・・実は、意識しているかいないかはさておき、言葉の内容以外にも私たちは非常にたくさんの手段で自分の考えを主張しているのです。そして、時として言語以外のメッセージは言語以上に大きな意味を持ちます。

 

1-1 ノンバーバルコミュニケーション

表情や話し方などの、言葉の内容以外のメッセージのことをノンバーバルコミュニケーションといいます。子育てコーチングは対話の積み重ねによって目標達成に導く手法ですが、言葉によるメッセージだけではなく、このノンバーバルコミュニケーションが非常に重要視されています。  

1-2 メラビアンの法則にみるノンバーバルコミュニケーションの重要性

ノンバーバルコミュニケーションの重要性を示すものとしては、「メラビアンの法則」が非常に有名です。テレビや雑誌などでもよく紹介されている心理学の実験結果ですので、目にされたことのある方も多いかもしれませんが、メラビアンの法則の概要は、以下の通りです。

メラビアンの法則:話し手が言っている言葉の内容と態度や振る舞いが一致しないときに、聞き手はどちらを信じるか?を検証したもの

1971年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校のメラビアンが検証を行いました。
メラビアン氏は人と人が直接対面するコミュニケーションには、3つの要素(言語情報・視覚情報・聴覚情報)があるとしました。言語情報は話の内容、視覚情報は表情や態度、目線など、聴覚情報は声の大きさやトーンなどです。
視覚情報、聴覚情報、言語情報のそれぞれが矛盾した状態で話をしたときに聞き手がどの情報を重視したかを検証しました。それぞれが矛盾した状態とは、例えば笑顔で「あなたに対してイライラする」と話したり、どなるような口調で、「私たちは、今とても楽しい」というメッセージを伝えたりすることです。

検証の結果は以下のようになりました。

視覚情報(表情など)を信じる 聴覚情報(声のトーンなど)を信じる 言語情報(発言の内容)を信じる
55% 38% 7%



つまり、しぐさや声の調子と言葉の内容にずれがあった場合に、言葉の内容を重視する受け取り手は全体のほんの7%しかいない、ということです。

 

1-3 メラビアンの法則を活用したコミュニケーション

メラビアンの法則は、一定の条件下で行われた実験ですので、必ずしも話の内容よりも態度や口調の方が強く相手に伝わる、と言い切れるわけではないのですが、言葉以外の情報が相手に与える影響が非常に大きいことは確かです。

そして、メラビアンの法則をお子様とのコミュニケーションの際に活用することによって、コーチングの効果をさらに高めることができるでしょう。コーチングの際には、基本的には傾聴や承認の態度を取るのが望ましいので、態度やしぐさ、声のトーンや大きさなどでも傾聴・承認の姿勢を取ることが、コーチングにおけるメラビアンの法則の効果的な活用と言えます。言語情報・視覚情報・聴覚情報のすべてを一致させることを意識することが、メッセージを明確に伝えるうえでは重要です。

 

2、子育てコーチングにおけるノンバーバルコミュニケーションとは?

子育てコーチングを行う際に、使用するノンバーバルコミュニケーションについて一つひとつ具体的に紹介していきます。  

2-1 表情

コーチング時に限った話ではありませんが、人は表情を見ることによって相手の心象を理解します。ですので、保護者の方々がお子様と話をされる際には、お子様の話の内容に見合った表情を見せるとコーチングの効果が高まります。
例えば、お子様がテストの結果を嬉しそうに話しているときには同じように喜びの表情を浮かべるとお子様は思いを共感してもらえた気分になると思いますし、深刻な悩みの相談の際には、同じように重い表情を浮かべたり勇気づけるような力強い表情を浮かべたりすることも効果的です。

ただ、表情に関しては普段はさほど意識しない方が自然かもしれません。お子様の話をきちんと聞く心づもりができていれば、表情も自然にそれに適したものになるからです。例えば保護者の方が仕事や家事で忙しくて気持ちに少し余裕が持てていない場合、不機嫌な時、お子様が話をしている内容が保護者の方にとってはそれほど興味深いものではない時などの場合には、ご自身の表情について意識してみてください。

 

2-2 視線

話を聴く(傾聴する)態度として、視線を合わせることは、至極基本的なことであり、最も重要なことの一つでもあります。

視線を合わせることで、話し手であるお子様は話に興味を持って聴いてもらっているという意識になりますし、保護者の方への信頼感にもつながります。逆に、視線が合わなかったり、スマートフォンやテレビを見ながら聞いたりする、といった態度を取られている場合には、話を受け取ってもらえていないと感じてしまいます。
傾聴とは、相手の心と言葉に耳を傾けることですので、お子様と視線を合わせて話を聴くように心がけましょう。

また、家族であったとしても視線を合わせるのが非常に苦手な方もいらっしゃいます。視線恐怖症、あがり症、内気な方、などです。
こういった方々は視線を意識しすぎると逆に話の内容が頭に入ってこず、コミュニケーションを取る際に支障をきたしてしまうこともあります。そうならないためには、相手の鼻の頭に視線を合わせる、もしくは短時間(5秒程度)視線を合わせることを意識する、などの対策をとると良いでしょう。

 

2-3 態度・姿勢

お子様の話を聴く際の姿勢も、重要なポイントとなります。
お子様が話しているときに保護者の方が腕組みをしているケースについて考えてみます。お子様が真剣な悩みを打ち明けていえるときの腕組みは、悩み事に関して真剣に受け止めて深く考え込んでいるようなイメージを受けるかもしれません。逆に、お子様が保護者の方に対して何かを要求しているときの腕組みは、拒絶のイメージを与える可能性があります。保護者の方にとっては無意識な姿勢であったり、単なるクセだったりする場合でも、状況によっては意図しない意味を持つ場合がありますので、注意しましょう。

他に、意味を持ちうる態度や姿勢には以下のものがあります。

足をゆする(貧乏ゆすり)・・・イライラしている、落ち着かないといった印象を与えがちです。
頬杖をつく・・・退屈をしている、興味を持ってもらえない印象を受けます。
自分の髪を触る・・・心理学的には、自分で自分の髪を触るのは不安を感じている場合がありますが、対話中に保護者の方が髪を触っていると、お子様には対話に集中していないように受け取られるかもしれません。
自分の膝に手を置く・・・自分の手に膝を置いている状態は、緊張状態を表しています。緊張が強いと、自然な意見を引き出しにくい場合もあるので、保護者の方ご自身がリラックスした態度を取られると良いでしょう。

このように、無意識で取っている態度やしぐさでも、相手にさまざまな印象を与えます。逆に、お子様の態度やしぐさをみて何らかの状態を感じ取った場合には、例えば緊張をほぐしたり、怒りや悲しみに寄り添ったりするなどの対応を取ることも可能になります。

 

2-4 声

声の印象は相手にさまざまな印象を与えます。
例えば、いつもよりもトーンが低い場合には、落ち着いた印象を与える反面、テンションの低さや怒り・不機嫌の印象を与えることがあります。トーンが高い場合には、ハイテンション、高揚、意欲などを与えます。信頼関係が築けると、自然に声のトーンが上がるといわれていますので、一般的にはトーンが高い状態が望ましいといえますが、悩み事や不安に寄り添うときなどにはあえてトーンを落としてお子様に寄り添う姿勢を取ることを意識すると良いでしょう。

声が大きい場合には、自信・健康・明るい・バイタリティがある、といった印象を与えます。ですので、コーチングの際には励ますときや勇気づけるときに非常にマッチします。小さい声はその反対ですが、お子様が落ち込んでいるときや元気のない時には保護者様自身の声を少し落とすと、お子様に寄り添うことができます。「大丈夫?」「落ち込んでない?」といった言葉は少しボリュームを落として声がけしてみましょう。

 

2-5 動作音

特にイライラが大きい際には、何気ない一つひとつの動作音が大きくなってしまいがちです。
ドアや引き出しを閉める際にバタンと大きな音をたてたり、指先でテーブルをトントン叩いたり、わざとため息をついてしまったり。こうして目に見えて不機嫌そうに見える態度を取られている場合は、保護者の方ご本人が思われている以上にお子様を不安にさせてしまっていることがあります。

イライラの感情を全く出さないのは困難なことですが、例えば、コーチングによる指導を行っている間だけでも直接お子様に不安を与える態度を取らないように注意しましょう。

 

3、ノンバーバルコミュニケーションのコーチングテクニック

ノンバーバルコミュニケーションは、しぐさや態度などで意図しなくても常に外に向けて表されているものですが、保護者の方自身がノンバーバルコミュニケーションのコーチングテクニックを用いることによりお子様からの信頼をより高めることも可能です。  

3-1 ミラーリング

ミラーリングを簡単に説明すると、相手のマネをすることです。ミラーリングのミラーとは、「鏡」のミラーです。
ですので、お子様が鼻を触ったら、保護者の方も同時に鼻を触る、首をかしげたら首をかしげる、ペンを持ったら、同じように何かを持つ、といった具合に、しぐさの一挙手一投足をマネします。
言葉をそのままオウム返しにするバックトラッキングというスキルもありますが、こちらもミラーリングの一種ととらえることができます。
言葉だけではなく、話し方や声のトーン、大きさ、スピードなども合わせるとさらに効果の高いミラーリングが実践できます。(しぐさをマネするミラーリングや言葉をマネするバックトラッキングと区別してマッチングと呼ぶ場合もあります)

人には、自然に好きな人の行動をまねる、自分と似た動きをする人に対して好意を持つという性質があります。ですので、ミラーリングを行うことによって、対面する相手との信頼関係を高め、仲良くなれる、距離を近づけることができる、といった効果があります。親子の場合には、こうして細かな動作でミラーリングを行わなくても生活の中で自然にミラーリングの状態が築けていることも珍しくないので、あえて意識してミラーリングを行う必要性もないかもしれませんが、ミラーリングはノンバーバルコミュニケーションのテクニックの代表的なものですので、知っておいて損はないでしょう。ちなみに、ミラーリングはマネをそのままするだけなので、簡単なことのように思えますが、実際に意識してやってみるとミラーリングをしながら相手の話の内容を理解するのはどちらかに意識が集中してしまいがちで結構難しいものです。

3-2 ノンバーバルサインを読み取る

お子様の本音を知りたいときに、言葉以外のサインから読み取るというテクニックもあります。
本音を把握してアドバイスや対話をすることにより、コーチングの精度を高めることができます。
具体的には以下のノンバーバルサインがあります。

ひざを手で握る・・・立ち上がって、この場を立ち去りたいという意思があるかもしれません。
体の後ろ側で手を組む・・・拒絶の姿勢といわれます。
大きく手を広げる・・・自信の現れのジェスチャーです。
指を組む・・・親指が見えないように指を組んでいる場合には不安の現れ、逆に親指が見えるように指を組んでいる場合には自信の現れを示しています。

もちろん、これらのしぐさは単なるクセの場合もありますので、ノンバーバルサインだけでお子様の感情を決めつけてしまうのはよくありません。
複数の要素と合わせてしっかりお子様を観察して、お子様の心理状態を把握し、心情に寄り添うようにしましょう。また、基本的には傾聴や質問によって、お子様自身の言葉で状態を語ってもらうことが理想的ですので、まずはお子様の声を聞くことを重視しましょう。

 
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