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子育てコーチングに基づくお子様の叱り方

子育てコーチングは、承認の姿勢を重視していますので、お子様を承認すること、褒めることが基本的な姿勢になります。叱ることはNGなのかと思われる向きもありますが、叱ることそのものは時には必要なことであり、全く叱ってはいけないということではありません。むしろ、全く叱らないということは、お子様が「自分は期待されていないのではないか?」と誤解してしまう可能性もあります。

江戸時代の二宮尊徳も「可愛くば、5つ数えて3つほめ2つ叱って、良き人となせ」と述べています。
子育てや指導の場面では、従来から褒めることと叱ることはコミュニケーションの両輪です。

では、適切な叱り方とはいったいどのようなものなのでしょうか?
今回の記事では、子育てコーチングの考え方に基づいたお子様の能力や学力を正しく伸ばせる叱り方について解説いたします。

 

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1、子育てコーチングに基づいた叱り方の基本的な姿勢

保護者の方々はお子様に対して、普段どのようなときに、どのような叱り方をされていらっしゃるでしょうか?
子育てコーチングの基本的な姿勢について学び、三大スキルの一つ「承認」を「褒めること」だと解釈した場合、お子様を叱ることはよくないことなのかな?、接し方を180度改めなくてはならないのかな?、と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、子育てコーチングにおいても叱ることを否定しているわけではありません。むしろ、適切な場面できちんと伝えるべきことを主張することは非常に重要なことだとされています。適切な叱り方の基本的姿勢について解説します。

 

1-1 子育てコーチングにおける叱ることとは

子育てコーチングにおいて、叱ることは、「お子様が自ら成長しようとする力をお子様自身の中に秘めていて、自分で行動する存在である」という前提に立って行われます。平たく言えば、叱ることで何かを強制したり禁止したりするのではなく、お子様が成長するために考えるきっかけを与えたり、力を引き出すために親は子どもを叱る、ということです。

保護者様から叱られることで、お子様は自ら考え、気づき、そして成長するための行動をします。

お子様自身が主体的に行動を起こすためのきっかけを与えるという点で、コーチングに基づいて叱ることは褒めることや質問をすることと同様、コミュニケーション(=対話)の一つなのです。

 

1-2 叱ることと怒ることの違い

絶対に注意をしていただきたいのが、叱ることはコミュニケーションの一つであり、感情的に怒ることとは全く異なるものであるということです。 叱ることと怒ることを比較すると以下のような違いがあります。

叱る 怒る
相手のことを考えて 自らの感情で
冷静に叱るべきか否かを判断して とっさに、瞬間的に
お子様の行動や考え方に対して具体的に指摘する お子様の性格や人柄についてキツイ言葉をかける
お子様に自発的に考えさえる お子様の自発的な考えを鈍らせる
お子様の気持ちを安定させる お子様の気持ちを不安にさせる


もちろん、感情同士がぶつかることもあるかと思いますので家庭内で全く怒らないというのは無理な話ですが、お子様を指導する場面では、「怒る」のではなく「叱る」ことを意識してコミュニケーションを取るようにしてください。もちろんですが、同時に褒めること、傾聴すること、お子様の心情に寄り添うことが必須です。

 

1-3 どんな場合に叱るか?いつ叱るか?

どんな場合に叱るか、いつ叱るか?ということは、叱り方以上に重要です。

まず、お子様を叱る場合は、「なぜそのようなことをしてはならないのか」、「なぜ、それをしなければならないのか」を明確にする場合です。そのことについて、考えて気が付かなければ、お子様が成長できない、誤った方向に進んでしまう、といった場合が、叱らなければならない時です。

そして、いつ怒るかという点については、叱るべき対象の行動が起こってすぐ、あるいは発覚してすぐ、です。時間が経過してしまうと、お子様も叱られることに納得がいかなくなりますし、効果が半減するだけでなく親子の信頼関係が薄れてしまいかねません。

 

1-4 叱りながら自分自身を省みる


子育てコーチングの基本的な考え方は、親子がパートナーとなって目標を達成するために協力関係を構築していくことです。パートナーである以上、叱られるべき行動がお子様にみられた場合でも、保護者の方自身、いったん冷静になって反省すべき点がないかを確認してから叱る姿勢が重要です。

また、お子様の行動や考え方について叱る際に、どんなに気を付けていてもコーチングの本質である横並びに近い関係が崩れ、上下関係になりがちですので、注意が必要です。謙虚な姿勢で、叱るべき部分をしっかりと叱ることができれば、お子様の心情的にもアドバイスを聞き入れやすいことでしょう。保護者の方々が想像する以上に子どもは高いプライドを持っていますので、そうした心情に配慮して叱ることでモチベーションを大きく落とすことなく気づきを与えられるきっかけになります。

ご自身を省みた結果、例えば「宿題をしなさい、という指示が不明瞭で子どもに誤解を与えていなかったか?」、「子どもにはゲーム1時間以内と言いながら、自分自身は2時間以上もインターネットで娯楽情報を見ていた」などの反省点があれば、反省点を踏まえたうえで、共に反省し改善できるように声がけをするスタンスが望ましいかと思います。

タイミングとしては、すぐに叱るのが適切ですので、短時間で自身を省みて冷静に対応することが重要なポイントです。

 

2、具体的な叱り方について

子育てコーチングに基づく基本的な叱り方のスタンスを把握したところで、次は、実践編です。具体的にどのように叱るのが適切か解説します。  

2-1 叱るときは、できるだけ推奨形で

禁止形・命令形だけが「叱る」ではありません。一般的に、叱るときの言葉をイメージすると、「~してはいけません」、「~しなさい」といった禁止形・命令形をイメージしがちだと思います。
しかし、コーチングに基づく叱り方は、お子様が自ら考え、気づきを得るために行います。禁止形や命令形は子どもの行動を強制させるものであり、自律的な行動を阻害・制限してしまうものになりがちですので、言葉遣いに注意する必要があります。

理想は、温かい言葉・態度で叱ることです。「~しましょう」、「~してみてはどうか」といったお子様の行動を推奨、サポートするような言葉を投げかけるように意識しましょう。強く叱らなければならないときには、「~しなさい」という言い方が必要な際もありますが、その時は特に愛情が伝えられる温かい言葉・態度を強く意識してください。

逆に言えば、言葉のみを推奨形のものにしても言い方が厳しければお子様は命令だと感じてしまうので、子育てコーチングの本質(=お子様の心情に寄り添う)を忘れないようにしましょう。

 

2-2 叱りの言葉はシンプルかつ明確に

お子様を叱る際はシンプルな言葉と明確な態度が重要です。

承認の姿勢を示すために高圧的な態度を取らないことは重要なことですが、「逃げ腰」、「回りくどい」と取られてしまうと逆にお子様からの不信感につながります。皮肉についてはもってのほかですし、また兄弟やクラスメイトと比較をすることも厳禁です。

叱ることによって伝えなければならないのは、その行動をする(しない)ことでお子様が成長できないシンプルな理由です。ですので、お子様の心に響きやすいシンプルかつ明確な言葉が最も効果的です。また、叱責が長引くと、お子様のモチベーション低下にもつながりかねませんので、叱るときはシンプルに短く、が原則です。

2-3 叱る理由を明確に伝え、子ども自身に考えさせる

お子様を叱るときには、その理由を明確に伝えることが非常に重要です。

何のために叱られているのかを子どもが理解していない場合には、ただ不快な思いしか生じません。そして、理由を伝えるときに大切なことは、その理由が論理的であることです。

例えば、「ゲームは1日1時間まで」というルールをお子様が守れなかった際に、「約束を守れない子どもはろくな大人になれないよ」といった叱り方は、感情的であり、行動に対しての叱りの言葉というよりもお子様の人格を否定する言葉です。

  • 「きちんとルールが守れないと、学校や社会で周囲からの信頼が得られないよ」
  • 「テストで目標点に到達するために、ゲームの時間を約束したんだったよね?」

などというような、具体的かつ明確な理由を伝えましょう。そのうえで、行動を改善するためにどう行動すればよいかをお子様と一緒に考えましょう。

もし、具体的な改善策がお子様から出てこない場合には、保護者の方からいくつか提案をし、お子様に実行できそうなものを選んでもらうのも一つのポイントです。

  • 1日のゲームの時間を「1時間以内」ではなく、16時~17時までに変更し、17時からは宿題の時間にする
  • ゲームの終了時間にタイマーを設置して、アラームが鳴ったら必ずゲームを終了する
これらのように、保護者の方とお子様の両者が守りやすく納得できる改善策を共に考えていくと良いでしょう。  

2-4 いったん受け入れて(褒めて)から叱る

コーチングでは、承認の姿勢が重要ですが、叱るときにもまず大前提にあるのは承認の姿勢です。したがって、叱る際にも承認のスタンスを崩さずに叱ることが重要です。

具体的に承認の姿勢を示すにはどうすればよいか解説します。

例えば、お子様が家庭学習をしない日が続いた場合について考えてみます。コーチングの考えに基づいて、お子様に理由を尋ねたところ、「学校で疲れていて勉強するのが面倒だった」と答えが返ってきました。

こんな時、保護者の立場からすれば、「そういうのはヘリクツだ」、「その考えは間違っている」、「学校につかれているようだと、これから先もっと苦労するよ」とお子様の意見を否定したくなるものです。

しかし、それらの言動は承認の姿勢に反するものです。承認の姿勢を示すには、「学校で疲れていたから、家で勉強ができなかったと思っているんだね」、といったんお子様の意見をそのまま受け入れます。受け入れた後で、「だけど、家庭学習を毎日しないと、テストで良い点数が取れなくて、志望校の合格が難しくなる」、「せっかく一緒に約束をしたのに、守ってもらえないと私は悲しい」といった要望を投げかけます。
最初に承認の姿勢を示した後に、再度、「もう一度、なんで家庭学習ができなかったか考えて」、「家庭学習をする、っていう約束を守るためにはどうしたらいい?」と問いかけます。こうしたやり取りを繰り返しているうちに、少しずつお子様から自発的な対策が返ってくるようになるでしょう。

 
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