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子育てコーチングにおける父親の役割

「イクメン」や「ワークシェアリング」など、従来に比べて父親も家族の一員として積極的に育児や家事にかかわるようになってきてはいますが、現在の日本ではまだまだ過渡期といえるのではないでしょうか。中には、積極的に家族とコミュニケーションを取りながら父親として信頼されているというお父様もいらっしゃるかと思いますが、まだまだ家のことはまかせっきりという方も珍しくありません。

今回の記事では、子育てコーチングの観点から、父親がどのように育児、コーチングにかかわっていくのが理想的か、という点についての紹介をしたいと思います。お母様も、ご自身のパートナーと照らし合わせながら、読んでいただければ幸いです。

 

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1、子育てコーチング原則に基づく父親の役割

お子様へのコーチが父親の場合でも、子育てコーチングの原則は大きく変わるわけではありません。
むしろ、両親がある程度方向性をそろえることで、お子様の安心感や両親への信頼感も高まりますので、まずはお父様も子育てコーチングの原則に基づいたスタンスを取ることが効果的です。

それと同時に、お母様のアシスタントにとどまらない、父親としての役割を発揮していくことが理想的です。

 

1-1 承認=見守る姿勢が大原則

理想的な父親の姿、といえば答えのない非常に難しい問題ですが、子育てコーチングにおける父親像の原則は、やはり三大スキルの一つである承認の姿勢が重要といえます。当然、質問・傾聴も重要ですが、お父様は、仕事のスケジュールなどにより、お母様に比べてお子様と日常の場面で積極的に関わり合いを持つ場面が限られてしまうことが多いと思いますので、限られた時間の中でもお子様に対する信頼感を示す承認の重要性が高いのです。

承認とは具体的にどのような行動かといえば、見守る姿勢です。
見守る姿勢がなぜ承認にあたるかといえば、お子様の能力や頑張る力を信じていない限り、どうしても手出し、口出しをしてしまいがちだからです。適切なアドバイスは非常に重要ですが、あまりにストップをかけすぎてしまうとお子様のやる気を阻害し、限界を設定してしまい、結果的に意欲や自主性を制限してしまう結果になりがちです。見守る姿勢によって、自己肯定感を育んでいきます。

 

1-2 見守る姿勢と甘やかし・放任との違い

見守る姿勢と混同しがちなのが甘やかしや放任です。
限られた時間の中で、お父様はお子様と積極的にコミュニケーションを取り、禁止すべきところは禁止し、叱るべきところはきちんと叱るのが、理想的な見守る姿勢といえます。

お子様にとって困難なことにチャレンジしているとき(例えば、ピアノの難しい課題に直面している場合や、翌日の定期試験にどうしてもお子様が自信を持てない場合)に、お子様のやる気を引き起こすために褒めたりアドバイスをしたりしてお子様自身で成し遂げられるか否かをじっと待つのが見守る姿勢です。
反対に、お子様がチャレンジしていても、適切な声がけをしなかったり、あきらめそうになっているときにただ慰めの言葉をかけたりするだけの場合には、甘やかしや放任の姿勢と言えます。

慰めの言葉が必要なケースもありますが、目標達成のためにお子様が自律して行動することを助けられているか否かというところが、重要なポイントになります。

 

1-3 父親ならではのお子様とのコミュニケーション

子育てコーチングでのコミュニケーションにおいて重要なポイントの一つは、コーチ(保護者の方々)がお子様の心情にいかに寄り添えるかという点があります。お父様がお子様とコミュニケーションを取られる際には、お子様の心情に寄り添うことをベースとしつつ、論理的なコミュニケーションを取るように心がけていただけると、お子様の学力を大きく伸ばすことにつながります。

コーチングを実践する場合には、コーチ側もクライアント(お子様)側も論理性が非常に重要です。課題や目標を自分自身で発見し、それがどのようなものであるかを説明し、どのような手順でどんなふうに達成していくかを考えるためには、論理的思考力=国語力が必要とされます。子育てコーチングを繰り返し実践することで論理的思考力は磨かれていきます。それは、男性であるお父様が積極的に論理性を意識したコミュニケーションを取られることによってそのトレーニングの効果が高まるためです。

これは、あくまで傾向の話ですので当てはまらないご家庭もあるかもしれませんが、一般的に男性は論理的、女性は感情的に物事を考える傾向があるといわれます。お父様は、日ごろからビジネスやお仕事で論理的な考え方や意見を必要とされるケースが多く、自然に論理的思考力を身に着け、実践されているケースが多い、という傾向にあります。

  • お子様がヘリクツで揚げ足を取ろうとする
  • 何を言っても感情的になって耳を傾けようとしない
  • アドバイスをしようとすると反発して言うことを聞かない


お子様とコミュニケーションを取る際に、以上のような状況に陥りがちなご家庭では、お父様が論理的にコミュニケーションを取ることにより、突破口が見いだせるかもしれません。
また、日ごろからお父様が論理的なものの考え方や説明の仕方をお子様に示すことで、自然にお子様の論理的思考力が向上し、説明する際のプレゼン能力や感情表現が飛躍的に向上しますので、特にトラブルや悩みを抱えていないご家庭でも、お父様が論理的にコミュニケーションを取られることは大きな意味のあることです。家族の方々の性格や相性を踏まえて、論理的に伝えるべきところと、感情をあえて表に出してコミュニケーションを取るところなどを工夫されていくと、高度なコミュニケーションを取ることができるでしょう。

 

2、子育ての場面での具体的な父親の役割

子どもと接する具体的な場面での子育てコーチングにおける父親の役割について紹介します。  

2-1 遊びやスポーツを通じたコーチング

父親が子どもと一緒にスポーツや体を動かす遊びをすると、子どもの頭脳の発達に良い影響があるといわれています。
精神の発達という点では従来から子どもと保護者の方のふれあいの重要性は広く認識されていたかと思いますが、なぜ頭が良くなるかというと以下の理由が挙げられます。

  • スポーツで走り回りながら瞬時に判断をする、ということを繰り返すことで脳がアクティブになる
  • 複雑なスポーツのルールを覚えることが脳に刺激を与える
  • 楽しみながらチャレンジを繰り返すことで、課題に対して我慢強く、粘り強く挑戦する姿勢が身につく


ある程度年齢が上がってくると、お子様は気の合うお友達同士で自身の好きなことをして遊ぶようになると思いますので、特に小学校低学年くらいのお子様のお父様は、意識して積極的に体を動かす遊びやスポーツをお子様とされてみると良いかと思います。

 

2-2 父親との関係性による子どもの精神面の成長について

父親と子どもとの関係性が良好であれば、お子様の精神面に大きな成長がみられる傾向にあります。

    • 父親から適切に叱責されたお子様は、社会性が高まる
    • 子育てコーチングの基本的な姿勢の部分でもありますが、叱らなければならない場面で父親が適切に叱責をされたお子様の場合、社会のルールを正確に把握し、正しい行動を選択できる社会性が身に着けられます。
 
    • 同時に、ダメなものはダメということを厳しく指導されることにより、社会に出た際にストレス耐性や粘り強さを持った、実力を発揮できる人材になります。
 
    • 注意したい点としては、厳しく指導する場合でもやみくもに厳しくしたのでは自己肯定感の低下につながり逆効果になります。
 
    • お子様に対いて愛情を持って、必ず結果を出せると信じて、見守る姿勢で叱責することが重要なポイントです。
 
    • 父親との関係が良好なお子様は、他人に優しくなれる
    • 特に、女子にみられる傾向ですが、思春期の頃になると大人顔負けの考えをするようになり、場合によっては理屈っぽくキツイ言動をしてしまうことがあります。
 
    • 例えば、友だちのちょっとした勘違いを厳しく非難したり、学校の先生が気に入らないからといって必要以上に文句を言ったり、といった場面がこれにあたります。
 
    こういったことは、思春期や反抗期であれば珍しいことではありませんが、父親との関係が良好で多くコミュニケーションが取れている子どもは、他人に対して優しくなれる傾向があり、こういった態度がマイルドになったり、短期間で落ち着いたりする傾向があるといわれています。
 

2-3 お子様に夢を与える(長期的な展望を与える)役割

こちらも一般的な傾向、という話にはなりますがお子様に夢を与えるのは、お母様よりもお父様の方が適している(向いている)とされています。反対に、お母様は、日々の生活面を指導するのに向いているといわれます。

お子様に夢を与えることの重要性についてですが、夢の有無はモチベーションの高さに大きく影響し、モチベーションが高い状態が持続できれば、おのずとお子様は夢に向かって努力を続けることができます。例えば、憧れの職業に就くためには、〇〇高校に入学するのが良い、そのためには、今の学力では少し厳しいから成績を上げるしかない、というように夢から逆算をして日々の学習習慣が身につくこともあります。そして、こうして自発的に夢に向かって努力を続けられるようになった場合には、日々「勉強をしなさい」、「宿題をしなさい」という言葉をかけなければならない場面が、ぐんと少なくなります。

お父様の方がお母様と比べて夢を語るのに適している理由は2点あります。
1点目は、お父様自身が社会に出て仕事をされているので、社会を語る際に説得力・リアリティがあり、お子様の心に響きやすいことです。
2点目は、女性であるお母様の場合はつい現実的に目の前の事柄を判断してしまいがちですが、男性であるお父様自身が夢を持って遠い将来のことを考えたり、実現が困難そうに思えることについてもフラットな視点で見られたりする傾向にあるという点です。子育てコーチングの原則でもありますが、基本的にコーチングの場面では承認の姿勢が重要ですので、お子様が夢を持たれている場合にも頭ごなしに否定することは得策とは言えません。夢を肯定し、共に実現に向けて協力する姿勢を取ることが効果的な子育てコーチングであり、毎日まとまった対話の時間が取りにくいお父様の場合でも、長期的な夢に向けては対話の機会が数多くあります。

夢、というとやや大げさなきらいがありますが、お母様は日々の生活面の指導に追われることが多いものです。お父様が、お母様の意図を組みつつ、長期的な展望を持ってお子様のコーチングを行うことで、短期・長期の両面で方向を見誤らないコーチングが実現できます。

 

2-4 夫婦間のコミュニケーションを取る

育児や子育てというと、お子様に意識が集中しすぎてしまい、夫婦間のコミュニケーションが疎遠になってしまうことは珍しくないことです。
夫婦間の関係が良くないと、お子様が気を遣ったり親の顔色をうかがったりするようになるのであまりよくない、といわれます。反対に、夫婦間できちんとコミュニケーションが取れていることが、実は、最大の子育てコーチングと言っても過言ではないくらい、ポジティブな面があります。

例えば、育児方針に関して、完全に夫婦間で一致しているということは、まずないと思います。方針を一致させないまま夫婦各々がお子様に接する場合もあるかと思いますし、夫婦のどちらか片方の考えに沿って子育てをされる場合もあるかと思います。ここで、実践していただきたいのが、夫婦間でのコーチングです。
つまり、お子様に対する育児という共通の課題に対して夫婦間で対話を重ね、互いが納得できるアイデアを引き出すことです。育児は、いわば最も身近な正解のない難問、と言ってよいと思います。難問に対して、考えの異なる二人が論理的かつ冷静に自身の考えを主張し、互いの考えを尊重することが、家庭の課題解決の最適な解決方法の一つです。

そして、時にはその過程をお子様の前で、お子様を交えて行うことで、お子様自身も論理的な主張の仕方を学び、考え、気づくことができます。「異なる考えがあっても良いんだ」、「考え方が違っても、丁寧に対話をすれば解決できるんだ」ということを、自分の肌で感じることができるのは、お子様にとって大きな財産になることでしょう。

繰り返しになりますが、重要なポイントは夫婦関係が良好であることです。良好な関係に基づいて、活発なコミュニケーションがなされることによって、夫婦間のコミュニケーション、コーチングは非常に大きな意味を持ちます。

 
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